歩きたいKさんの話 その6
たまたまその日も帰りの車でKさんと2人で話す時間ができ、「先ほどは庇っていただいてありがとうございました。」と私から声をかけました。
KさんはNさんの悪口を一切言わず、
「私、昔から勝気なところがあってね。子供の頃、弟や妹がいじめられて帰ってくると、棒を持って仕返しに行ったりしてたよ。」と。
普段は何を言われても「みんな勝手なことを言ってくる。」と言いながら、顔をひきつらせて耐えていたKさんが私の為に反撃してくれたのです。
今も思い出すと泣けてきます。
Kさんは長女なのですが、弟さん妹さんは全員Kさんより先に亡くなられたそうです。しかも最後に弟さんが亡くなって日にちが経っていないようで、心細い様子。息子さんが1人広島にいて、近くに呼びたいけれど、中々簡単ではないとのことです。
やはりそんなKさんに「ご主人亡くなったらどうするの」などと勢いで声を掛けるのはあまりに不用意でしょう。
ナンバー2社員に「あの人達(利用者さん達)は女優だから、言うこと間に受けちゃダメだよ」と言われたことがありますが、たとえ妄想だったとしても口にする理由がある。
間に受けず、一歩引いて見ることは大切ですが、軽んじてはいけないと思うのです。
(続く)
2024-01-28 15:29
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コメント(2)
この様な現場に即したお話、とても貴重だと思います。特にパンダ星人さんは、 冷静に、それぞれの立場も推し量りつつお書きになっているので、偏りがなく大変参考になります。
by meganesaru707 (2024-02-01 10:19)
メガネサルさん、
ありがとうございます。
色々な方向から考えてみるようにはしているのですが、落とし所が見つからなくなるのが悩ましいです。
その時点でやれることをやるしかないのですが。
by パンダ星人 (2024-02-03 11:20)